こんにちは、牧野内です。

空っぽ、とはこんな記号で書きます。

Φ ファイ

この Φ ファイってやつは、空集合の数学記号。

世界で「何ものでもない」ということは、「何ものにもなり得る可能性」も意味します。

ここで何もない意識にぽんと「猫」が浮かんだ場合、このように表現することができます。何も無い「空」にネコが現れた! ってことで……

空集合・ファイ

Φ + 「ネコ」= 猫

(写真は先日、僕の自宅で数日だけ預かっていた子猫です)

何もない空白にあるものがプラスされ、それが存在するようになる。けれども、何かを表現するということは、その何か以外のものを除外して表現するという意味でもあります。

ですから、ここにイヌは入りませんし、ここにパイナップルは入りませんし、ここにチョコレートは入りません。そうやって、すべての宇宙から「猫ではない部分」を取り除いていくと…

結果、こんなふうになります。

空と縁起

Φ − 「ネコ以外の宇宙すべて」= 猫

プラスではなく、マイナスだった、と。

宇宙から何かひとつを選び取るということは、その選んだもの以外のすべてを引き算するということでもあります。何かを選び取るということは、そこには宇宙のいち「部分」ではなく、宇宙が「全体」として関わっているよ、ということです。

(読み飛ばし部分:もともと数学的な空集合を提案した秘密結社ブルバキではノルウェー語で使うラテン表記∅ ストローク付Oで表現したが、今はギリシャ文字のΦ ファイでも代用される。ジュリオ・トノーニの情報統合理論では、その意識が持ち得る情報を意識量Φ ファイとして考えた。意識とは単なる情報の羅列ではなく、それらがひとつに統合されたものが意識なのだから、ファイは意識が取り得る情報状態すべてを含む。裏を返せば、ファイは意識に何もない「空・くう」という可能性の全体でもある)

まあ、Φってのは「空っぽのポケット」を示した記号ですが、
(例えば普通は{1,2,3,4…}と書く集合は、Φになると {} と空っぽになる)

実は、「空っぽである」ということは、何も無いわけではありません。

Φは何も入っていない、同時に、何でも入れられるポケットとなります。

4次元ポケット(空)

例えば、会社組織で何かが起きているとき、それを組織全体として正確に把握するためには「何が起きていないのか?」についても考慮する必要があります。つまり、問い「何が起きているのか?」の答えは、「何が起きていないのか?」の答えでもあるわけです。

これと同じように、僕たちの意識がひとつに統合されているなら、そこに起きている情報状態だけが大切なのではありません。そこに起きていない無数の情報状態も同じくらい大切な意味を持つでしょう。

僕らがときどき、過去を振り返って「もし、あのときこうしていれば…」(IF)と考える、そのすべてが「空」の中には秘められています。もちろん、同時にそのときの自分が思いつかなかったすべてのバリエーションも秘められています。

あるものと、ないもの。

考えたことと、考えなかったこと。

選んだものと、選ばなかったもの。

起きていることと、起きていないこと。

そして、目に見えるものと、目に見えない可能性……その両方がある。これらは一見ややこしい考え方のようですが、東洋人である僕らにとってはすごく馴染み深い

「空(くう)」ってそういうもんだよね 感。

今、目の前で起きていることは

ただ「それ」が起きているにとどまらない

宇宙のあらゆるバリエーションを引き算したカタチである。

今のあなたは、ただ「今のあなた(単独)」だけではなくて、あなたの取り得る可能性のすべてから、今のあなた以外の無限のバリエーションを 引き算 したものだということ。

あのとき、「あの選択肢Aを選んだあなた」の中には、あのとき、Aではない選択肢BとCとDと…「無数の選択肢を選ばなかったあなた」が秘められています。

つまり、こうなる。

Φ − 「今のバリエーション以外のすべての可能性」 = 今のあなた

今のあなたには「そうかもしれなかった」すべての可能性が内包されている。

それは、それ以外すべてのバリエーションのあなたの手が、今のあなたの背中を押してくれているということ。その手のぬくもりは、虚空に秘められたあらゆる可能性の総体であり、この世界を創っている関係性の糸で織られた羽衣。確定されなかったからこその、存在/非存在。

たとえ、見えなくても、その氣配を感じることはできる。

そのように空に秘められているすべてのつながりのことを

昔の人は「縁(えん)」と呼んだそうですね。

虚空円。

自分を変える旅から、自分に還る旅へ。

牧野内大史(まきのうち ひろし)作家、コンサルタント。著書に『人生のシフト』(徳間書店から)スピリチュアル翻訳者として著名な山川紘矢さん 亜希子さんご夫妻 あさりみちこさんとのセッション本(ヒカルランドから)や、監修翻訳を担当した『ソウル・オブ・マネー』(リン・ツイスト著)等がある。2014年にIFEC(国際フラワーエッセンス会議)に日本人ゲストとして登壇した。長野市在住。