霊魂の不在証明。

こちらのつづきとして。

先日、とある高校生からこのウェブサイトを通してこんな質問を受けました。

もっと長い文章だったのですが、要点はこうです。

「意識のハードプロブレムが解決されたら、霊魂の不在証明になるのですか?」

意識のハードプロブレムとは「物質的な脳からどのように主観的な意識体験(クオリア)が生まれるのか?」という問題です。現代科学ではそれを「氣のせい」以外の言葉、脳の「カンチガイ」以外の理屈で解説することはできません。

それ(主観的な意識体験)が氣のせいで、カンチガイであったとしたら、まさに霊魂の不在証明になるでしょう。一方で、それが氣のせいでもなく、カンチガイではないとしたら、それを創り出しているカラクリはいったい何なのでしょうか?

チャーマーズはこれについて、科学では解明できない、検証も不可能。としていて、還元主義の権化ともいえるミンスキー先生も、ちょっと面白いことを言っています。

「その情報が何かを記述するためには、その情報のすべてが必要である」

ふむふむ。

「私がヨーヨーマを経験するとき、私は私でなくなるということだ」

これはヨーヨーマの経験にミンスキーの情報はあってはならない、というわけですね。情報の記述にとって、その情報が「何を示すのか?」と同じくらい「何を示していないのか?」も重要なのです。

「はい」の意味を知るためには、 「いいえ」の意味を知る必要があります。

「何を示すのか?」と「何を示していないのか?」

この関係はとても大切なポイントです。

主観的な意識体験としての「個」が何か、誠実に答えようとするなら、その情報は宇宙全体にまで拡張されます。

……ということで、このような返答はどうでしょうか。

個人的なことをいえば、僕自身は霊魂の存在を信じてはいません。

現代科学のパラダイムではどうやっても「その個がその個である」と示すような霊魂は不在ということになります。

ですから、幽霊は存在しませんし、守護霊やら先祖の霊魂とやらも不在です。そういったものが流行るのはそれがビジネスになるからです。輪廻転生という現象はあっても、霊魂がヤドカリのように肉体から肉体へと旅する、彼らがもっともらしく説明するような形態ではけして存在はしません。

なので、あなたがそういう意味でのふわふわした霊魂について興味があるなら、僕よりもっとスピリチュアルな人物に訊いてみるとよいでしょう。

ここでは、あやふやな霊魂ではなく「個(パーソナルであること)」とは何か、を考えてみます。

その「個」が何かを記述するためには、「個ではない全体」全宇宙の情報が関わってきます。この宇宙のすべてが、この宇宙のすべてに、つながっていますからね。

だとしたら、その個を記述するためには、宇宙全体の情報内容(コンテンツ)が必要です。すると、それはもはやコンテンツではなく、コンテクスト(全背景)になります。つまり、本来の個は全体から切り離して存在し得ないものなのです。

部分を創り出しているのはその部分の背景にあるものだったりするよ、と。

「その個であること」は、

「その個であること」以上に還元できないもの。

2つのサイコロが「1」を示していても、この2つの「1」は同じ情報とはいえません。

サイコロ 情報統合理論

写真のサイコロたちは面の数がちがうので、1以外の切り取られた情報が変わってきます。6面体の1面と、12面体の1面では、他の数の可能性がちがいますよね。サイコロがコロコロしてひとつの値が決まること、これを「不確実性(エントロピー)の減少」といいます。

サイコロの可能性

サイコロが示す情報は何か?

このように情報的に見た6面体のサイコロと12面体のサイコロでは、12面の方が多くを語っているよ(情報量が多い)、という結論になります。サイコロで大切な情報は出た目だけではなく、出なかった目にもあるよ、ということです。

それでは。

ようやくここまできての本題……。

「僕たちはいったい何面体のサイコロでしょうか?」

僕たちひとりひとりは、宇宙という深遠な超多面体の一面です。

自分ではない他の面は宇宙のすべてに無数にちらばっています。

多面体はその一部を切り離して論じることのできない存在です。

記述するために宇宙全体の情報(コンテンツ)が必要なのです。

一人一宇宙。

僕たちは、この宇宙すべてを包み込んでいる存在を

どのような言葉で表現したらよいのでしょうか?

こちらにつづきます

自分を変える旅から、自分に還る旅へ。

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牧野内大史(まきのうち ひろし)作家、コンサルタント。著書に『人生のシフト』(徳間書店から)スピリチュアル翻訳者として著名な山川紘矢さん 亜希子さんご夫妻 あさりみちこさんとのセッション本(ヒカルランドから)や、監修翻訳を担当した『ソウル・オブ・マネー』(リン・ツイスト著)等がある。2014年にIFEC(国際フラワーエッセンス会議)に日本人ゲストとして登壇した。長野市在住。