神聖幾何学フラワー・オブ・ライフと黄金比の関係について……。
ドランヴァロ メルキゼデク氏の『フラワー・オブ・ライフ』では「ヴェシカパイシスの十字(縦と横の線)が黄金比である」という解説があります。
これが正しいとなると、2つの円の重なりすべてに黄金比があり、たしかにフラワー・オブ・ライフは黄金比でできていますが、実際に計算すると、その十字は1とルート3(1.73)の比で、微妙に黄金比ではありません。
この辺りのお話は数年前に書きました。
エニアグラムとは何だったのか:ヴェシカパイシスは黄金比なのだろうか? 神聖幾何学の話。
この部分(ヴェシカパイシスの十字)が黄金比だ、という誤解が大きく広がってしまっているかもしれません。
というのもですね、ちょっと検索してみるだけでも、FOL図形がこのような言葉で紹介されているからです。
・フラワー・オブ・ライフはすべての円が黄金比
・フラワー・オブ・ライフは黄金比であふれている
・フラワー・オブ・ライフは黄金比で描かれた図形
うーん。
中には僕のブログの「これは黄金比ではないよね」を計算した画像部分をコピペして「ほら、黄金比でしょ」と説明している記事もあったり(苦笑)
理解は、実際に計算してみると早いです。
求め方はカンタンで「ピタゴラスの定理」を使います。半径を1とすると、ピンクの直角三角形の二辺は1と2です。つまり、ピタゴラスの定理(a2乗+b2乗=c2乗)から、ヴェシカパイシスの横線を半径の1とすると、縦線は√3ということがわかります。
こちらがルートの値です。一番下のφが黄金比。
実際に計算してみると、フラワー・オブ・ライフは黄金比と「他の方がおっしゃっているようには」けして関係していません。
「フラワー・オブ・ライフと黄金比の関係」
この関係について考えてみようと、しばらくクラブの方と「黄金比」について多数のやり取りをしている中、再びドランヴァロ メルキゼデク氏の『フラワー・オブ・ライフ』を読み返していたところ、このような記述を見つけました。
お! ここに書いてあったではないか。
「私は勘違いしてヴェシカ・パイシスの長さと幅は黄金比の関係だと述べてしまったのですが、実際は古代エジプトの聖なる数字の1つである、3の平方根の相関性にあります」
原文:I mistakenly said that the length and width of a vesica piscis was in the Golden Mean proportion.
…とのことです。
1巻で書いたフラワー・オブ・ライフの十字部分の黄金比について、さらっとミステイクだったと訂正しています。
(日本語版では『フラワー・オブ・ライフ 2巻』のp158です)
おそらく上記のFOL黄金比の言葉たちは、この部分の勘違いから派生しているのではないでしょうか。
…この辺りについての情報をお持ちの方はぜひこちらから教えてください。
それでは、フラワー・オブ・ライフと黄金比は一体どうなっているのでしょう?
あらためて見ていきたいと思います。
ぜひ2Dのまま(2次元平面の状態で、というのがポイントで……立体にしてしまうと当然すぐプラトン立体が見つかってしまうので)黄金比を探してみてください。
今回、こちらの作図に行き着いたとき、あまりにあっけなくて膝から崩れ落ちました。
ここにあるルート5。
ずっと見えていたはずなのに、なぜ氣づかなかったのだろう?
すでに自分の中に生じている思い込みを通して観てしまっている世界
閉じ込められていたところ、ひとつ扉が開きました。
ここのところクラブの方から寄せられた情報を、できるだけ自分で計算してみて、ひとつひとつ検証していました。
他者(今回はクラブの皆さん)の視点を通して、みつめてみると…意外なところにブレイクスルーが起きるもの。
何かが、あるはずなのに、どうしても見つからない場合……
一度、過去の「わかった」から離れて
もう一度「わかった」に取り組む必要があります。
「わかった」
わかってしまっていること。
ここから離れることって、本当に難しいですね。
まずは易経(太極図)から。
内部の円と外部の円(2つの円周です)が黄金比の関係となっています。
この内円はルート5を作図しないと見えてきません。
これはいわゆる
エソテリック(秘教的)な内円と、エクソテリック(公教的)な外円。
外側の情報に振り回されていたところから、自分の内なる黄金比へシフトする。
もちろん、ここではフルーツオブライフも重要!
図を見てください。外側の6円の中心部分を通っている大きな円と、中心側の7つの円をまとめている(中心までを含む)小さな円があります。この2つの円が、フラワー・オブ・ライフが二重円で囲まれていることの理由でしょう。
これについての解説はまたしますが、その前にぜひこちらを読んでおいてください。
自分を変える旅から、自分に還る旅へ。