キーネーシスとエネルゲイア(開花)
その「実現」について。
思うことは、思うことで実現する。
思うことは、思うことをラグ(遅延)なく実現します。
当たり前すぎて大したことないと思われがちですが、これは人間が忘れ去ってしまった能力のヒントです。どうしてかというと、ラグなんて存在しないことに氣づいてしまうからです。
今「チョコレートを食べたい」と、思う。
するとそれを思った瞬間に、その「チョコレート」はすでに思考の中に現れています。
その意味で、思うことは、思うことで実現します。即。
ここで、そう思ったことによって何も無いところからチョコレートを引き寄せられるんだ、現実でもチョコが手に入るんだ、と考える人は、もうひとつ大切なことを忘れています。
現実世界にも「思う」にあたる表現があるんです。
それは、「行動」です。
ですから、現実では現実で思う(=行動)ことが必要です。
そして、さらに、
行動は、行動することをラグ(遅延)なく実現します。
もし、行動することでどこか特定の場所にあるゴールを目指すのであれば、そこまでの距離と時間がかかります。それは哲学者アリストテレスがいっていた「キーネーシス」のようなものです。キーネーシス(運動)には、ゴールが設定されていて、そこまでの移動や達成が目的にあります。その目的は、仮に設定された未来の展望、でしょう。
でも実際のところ、
行動をはじめたら、その行動は確かに実現しています。
実現していないのは、仮に設定された未来のどこか、です。
今この瞬間に実現していることとつながる。
このような視点をアリストテレスは「エネルゲイア」(現実態)と呼びました。
現実態だと、わかりずらいかもしれないのでマッキー勝手訳で
エネルゲイアは
「開花している状態」のこと。
それは 開花状態 です。
僕たちが何かの行動を起こすとき、そこには目指している結果があります。それがゴールです。
誰もが可能性を持っていて(デュナミス)何かに向かって動くと(キーネーシス)そこにはスタートとゴールが生じます。長野駅まで歩き始めたのなら、長野駅に到着するまでがゴールです。長野駅に辿り着かなかったら何の意味もありません。
エネルゲイアというのは
スタートとゴールが同時に起きること。
それはスタートとゴールが同時に消えること。
何かを行いながらも、すでにそれが完結している
開花状態です。
キーネーシスはゴールに至るまでは、それは未完成だ、といわれます。エネルゲイアはいつでも完了していて、それを行っている状態自体が、完成で完全なもの、となります。
さて。
僕たちの人生は、キーネーシスなものでしょうか?
それともエネルゲイアでしょうか?
自分を変える旅から、自分に還る旅へ。