この世界には「無い」ものは、無い。
この世界には「有る」ものだけが、有る。
そして、君がこの世界から抜け出したのなら
この「有る」と、この「無い」が
まったくバッティングしない概念であることに氣づくだろう。
ー古代の知恵より。 宇宙開闢の歌
ノンデュアリティというデュアリティ。
リアリティ、というアクチュアリティ。
これ。
僕のiPhoneに入っているSIM、もともと、マイクロサイズをパンチカットでナノにしています。とある海外滞在時にSIMをハサミで切って使おうとしたら、回路部分を破損してダメにしちゃいました。なので、今は専用の!パンチャーを持っています。
さて、突然ですがここでクイズです。
僕の携帯番号を聞かれて、ある番号を伝えました。
発音が悪くて、1が8として、伝わってしまいました。
その伝達において決定的な間違いが起きたんです。
彼は僕の電話番号を知っていると言えるでしょうか?
次。
2度目に会ったとき、今度は僕は彼から携帯番号を聞くことにしました。
僕は7を1と聞き違えたのですが、彼は1を7と言い間違えていました。
今回も決定的な間違いが起きたんです、二重に。
僕は彼の電話番号を知っていると言えるでしょうか?
僕のiPhoneに入っているこのSIMカード。
SIMってのは、その端末を特定するための固有の番号が付与されたICチップです。
ここに書かれた固有の番号に意味はありません。固有の番号が自分と通信会社をつないでいる、関係性にこそ意味があります。ですから、ほとんどの人はそこに書き込まれた記号番号に興味は無いですし、その情報が書き換わっても自分とそのチップと通信網が繋がりを保ち続けていれば、それは機能し続けます。
それでは、そのSIMが、そのSIM固有の記号情報を消し去ったら、どうなるでしょうか?
そのまっさらのSIMはID情報を所有していたSIMと見た目は同じですよね。
ここに何かちがいがあるのでしょうか?
すると、SIMはアイデンティティを失った
ただの点になります。
ただの点?
ユークリッド原論によれば、点とは「位置を持ち、部分を持たない」点のことです。もしも、ある特定の位置情報のみを所有している点が、その位置情報を手放したとしたら、いったいどうなってしまうのか。
すると、きっと、
点は、この宇宙からすっと消えます。
でもですね、よおく考えてみると、点はそもそも部分面積を持たないはずなので、最初からこの宇宙に属していたわけでもありませんでした。それはこの宇宙の外にあって、ある期間だけ、この宇宙に概念としての「接点」を持っていたのです。
フラットランド―二次元の世界から多次元の冒険へここで『フラットランド』のストーリーを思い出してください。
この物語世界では、3次元スフィア(球体)が2次元宇宙に接することで出現します。球体は2D宇宙に円形で接点を持っていますが、けして2D宇宙内に存在していたわけではありません。
細かいようですが、スフィア(球体)が僕たちの2次元宇宙にやってきた、というのは実は幻想で……本当は物語の間中、ずっと、スクウェアや僕たちの世界、2次元宇宙の外にいたわけです。
3次元宇宙内に、厚さを持たない物は存在しません。
スフィアにとって、2次元宇宙は厚さを持たないわけですからね。
もしも、スフィアがずっと2D宇宙で本氣のリアリティを持って、夢中で遊んでいたとしたら……いつしか自分が2D宇宙の「どこにもいない」というアクチュアリティ忘れてしまうでしょう。ずっと固有の位置を持つ設定を続けてきたのですから。
ノンデュアリティというデュアリティ。
リアリティというアクチュアリティ。
★ ノンデュアリティというデュアリティ(1)心のざわざわ
★ ノンデュアリティというデュアリティ(2)アイン0とアインソフ0
★ ノンデュアリティというデュアリティ(3)アクチュアリティ
★ ノンデュアリティというデュアリティ(4)易とバリエーション
★ ノンデュアリティというデュアリティ(5)宇宙との接点
自分を変える旅から、自分に還る旅へ。