パラレルシフト

自分が自分だと考えている情報

僕たちの頭の中には、常に断片的な思考が流れています。

それを思考しているのは……?

「自分」ではありません。

頭の中でうるさくおしゃべりしているのは自分ではなくて。既にインストールされた、埋め込まれたインセプションされた「集合知能」です。これは壊れたレコードのようなもので、意味があっても無くても、とにかく蓄積した情報を吐き出し続ける自我の自動再生機能です。

僕たちが、どう生きたいか?

自分は本当は何を望んでいるのか?

それを自分で考えたように見えても、この「集合知能」が吐き出した欲望があたかも自分の願望のように見えてしまうことがあります。ほとんどの人は社会的に設定された

「集合知能」 = 「自分」

だと考えたまま、その一生を終えます。

街にあふれたポスターやテレビCMが伝える幸せは、まさに「集合知能」にとって都合よく生きることです。素敵に労働して、素敵に消費する。何も創り出さずにベルトコンベアに乗って消費者として生きることが、この社会における、許され称賛される、与えられた幸福です。

ときに「生きるのがうまい人」は自分から目を背けて、社会から与えられた自分にうまくのっかることのできる人だったりします。

逆に、不器用な人。
うまく適応できない人。
違和感を抱えながら生きている人。

それは

どこか目を背けていた自分に氣づきつつある人たちです。

ビデオで話しました…
  ↓ ↓ ↓

自己探求というのは、「誰かさんにとっての私」を探求することではなくて他でもない「私にとっての私」を観察していくということです。その旅の中で、まれに次元の扉を開いてしまって、爆発にまきこまれてしまう人がいます。

レベルのちがう存在を垣間見えたとき、そこでビジュアライズされるのは、自分の思考の中にある神様でしょう。これは自分が生まれ育った文化に影響を受けると思います。

出会った人は号泣しながら、これまでの人生を悔い、なんて自分が不遜で感謝が足りなかったのか、ひたすら額を地面にこすりつけながら悶えるでしょう。こだわり、思い込み、思考の偏り、これら自我が吹き飛ばされてしまうと、世界がこんなにも美しくて、その美しさにちっとも目を開いていなかった過去の自分に愕然とします。

しばらくは、公園のベンチに座ってただ景色を眺めているだけで、世界の誰よりも幸せで温かく静かに満たされたきもちになれるでしょう。

自分の脳に寄生していた集合知能が、これまで自分を苦しめていたのです。

とてもシンプルな真理を思い出します。

こんなカンタンなこと……

「ずっと、わかっていたはずなのに!」

それでも社会で生きるということは集合知能にうまく同一化しながら、その思考の流れを身に着けていくということでもあります。生物として生きて生き残る、生存に関わってくるのが、この自分の「おしゃべり」を司っていた集合知能だったのです。

それをすべて吹っ飛ばしたとき、その出来事は「自分(自我)」にとって耐え難いことなので、藁にもすがる思いで必死に再統合を試みることがあります。

新しい「自分が自分だと考えている情報」に、自ら乗っ取られに行くんですね。

一部のカルト宗教団はこの瞬間に、新しい自我を埋め込みます。

自己啓発セミナーでも「生まれ変わりの儀式」みたいなのがありますね。

ある種の寄生虫は、宿主の脳をハッキングします。

具体的には、情報物質を分泌して、なんだか楽しくなってしまうのです。

それから例えば、とりついた魚を水面に向かわせダンスを踊らせます。きっと、その魚は自分が心から望んでダンスしていると思うでしょう。

そして川底ではない水面の光にあふれながら、とても幸福を感じると思います。

それは寄生虫に与えられた幸福です。

そのまま、水面で目立った魚は鳥に食べられ虫は仕掛けた通りに鳥の内蔵で暮らすことができます。

実験として……

3分間、ただ黙ってじっとしていて、何もしないで座っていてみてください。

何も考えないでいてみてください。

きっと勝手におしゃべりな声が聞こえてくるはずです。

頭の中を静かにすることは、かなり難しいことだとわかります。頭の中ではいつも色々な情報が流れています。それらすべての情報を統合したら、ハイ、それが「自分」のできあがりです。

この、頭の中のおしゃべりの言いなりになっているのが「自分」です。いわば「自分が自分だと考えている情報」に乗っ取られてしまっているのが僕たち現代人……なのかもしれません。

それでは。

自分を変える旅から、自分に還る旅へ。

ABOUT ME
マッキー
牧野内大史(まきのうち ひろし)作家、コンサルタント。著書に『人生のシフト』(徳間書店から)スピリチュアル翻訳者として著名な山川紘矢さん 亜希子さんご夫妻 あさりみちこさんとのセッション本(ヒカルランドから)や、監修翻訳を担当した『ソウル・オブ・マネー』(リン・ツイスト著)等がある。2014年にIFEC(国際フラワーエッセンス会議)に日本人ゲストとして登壇した。長野市在住。