お金と自己表現

エニアグラムとは何だったのか:3の法則と7の法則。

チェコを訪れある方と話していて、久々にこの言葉を聞きました。

「エニアグラム」

東欧でどこか都合のよい場所を、ということで会合はチェコのプラハに決まりました。セキュリティ上の理由でレストランなどではなく部屋を用意してほしいとのことだったので、現地の方が使っていないプラハ郊外のマンション一室を数日だけ借りることに。

プラハ郊外

エニアグラムというと、その名を知っている人にとっては、ほとんどの場合、性格類型論の一種でしょう。その人間の持つ性格・性質をエニア(ギリシャ語で9つ)に分類し整理された体系です。

以前は、コーチング系の勉強会などに参加するとよく 「数字」 を尋ねられることがありました。この数字とは、大抵はカバラ(数秘学・数秘術)または、エニアグラムのどちらか、です。

エニアグラムは現在は性格類型の解説図として、ビジネスマンの交渉やチームワークに役立つノウハウとして現在は広くセミナーや研修で教えられています。

当時も、エニアグラムを学んだという人にミスター「G」の名前を聞いても知らない人も多く、その根っこは数秘もエニアグラムも、はたまた易経ですら、同じくすることころだということを知らない人も多いのかもしれません。

今日するのは、性格類型としてのエニアグラムとはちょっと毛色のちがう話。

エニアグラムとは何だったのか?

エニアグラムとは一般的には、このようなシンボルです。

エニアグラム図形

さて、上の図形をこのように変移させてみます。

カバラ・数秘

エニアグラムをこうやって見れば、カバラっぽいでしょ?

ある数秘流派では三角形上をなぞって数えていきますが、このように変形させることもできます。

エニアグラム変化変容

この1番上のシンボルはグルジェフ(グルジエフというべきか)が100年ほど前に描き、それを見た人物によってエニアグラムまたはエニアゴンとして性格類型に応用され、エソテリック的に口伝されていき、後にアメリカ・エサレン研究所で注目を集め、やがてフランチャイズ方式になりグローバル市場で花開いていったものです。

一連のプロセスにおいては、著作権上のいざこざや訴訟などもあり、起源をどこに求めるかについてはまー諸説あるところです。今回の話はあくまでそういう話ではなく、エニアグラムの性格類型の有用さを否定するものでもありません。

つまり、僕がエニアグラムの名前を出したときは、純粋に上の図形構造 だけ を現していて、そこにミスターGを含む、どの流派への信仰や心酔も含みません。

持っているのは問いだけです。

そもそも僕が一般的なエニアグラムについて知ることは少ないのですが、幸運なことに10年ほど前、マーク・カフェル博士の講義を受けたことがあります。彼は実際に当時のエサレン研究所でエニアグラムを学んでいて、ゲシュタルト療法のフリッツ・パールズなどからも教えを受けていらっしゃいます。そこで博士のエニアグラム講義を友人と企画しようという話になり、僕自身もその会に参加することになったのです。

>> マーク・カフェル氏に行ったインタビュー(動画)

正直なところ、性格論的な話題にはあまり興味がもてませんでした。

博士はエニアグラムが日本には正統には伝わっていないこと、伝達過程で多くの情報が抜け落ちたこと、を強調しておっしゃっていましたが、僕の関心はシンボルの本質だけにあったのです。

それが一体何なのか? は純粋に観察することによって見えてきます。

エニアグラム図形

↑この図形は、9個の球体をひとつの球(エニアグラムのゼロ円)に統合したカタチを平面に落としこんだもので、円周を9つに等分し、最上点から正三角形で結び、残りの6つの点も左右対象に結んでできるシンボルです。

これは、その形からも、もともとは曼荼羅と同じで瞑想または熟考に使われてきたエソテリック・シンボルの中のひとつの展開形なのしょう。このカタチを純粋に観察してみると、3つの図形を発見できますよね。

まず、円。

そして、三角形。

さらに、六角形(変化形)となります。

このエニアグラムの背景にあるのは、ふたつの法則です。

3の法則と7の法則

シンボルを構成する図形それぞれが世界を創造する法則を表現しています。

例えば、エニアグラムでは、7は循環する数として考えます。

1を7で割るとこうなります。

1/7=0.142857142857…

同じように他の数字も割ってみると、

2/7=0.285714285714…
3/7=0.428571428571…
4/7=0.571428571428…
5/7=0.714285714285…
6/7=0.857142857142…
7/7=0.999999999999…

以降は1、いくつという数に。

8/7=1.142857142857…
9/7=1.285714285714…

つまり、7で割った数は「142857」の6つの数字で無限に循環する。

一方、この循環に含まれない「3、6、9」と3の倍数となっていて、1を3で割ると、0.33333…と同じ数が並ぶようになっています。だから、この3つだけは変性六角形に入っていないわけですね。

それぞれの法則についてざっと説明すれば、

3の法則とは、宇宙が3によって生じていること。
(1が2を生じ、2が3を生じ、3が万物を生じる)

7の法則とは、3から生じた森羅万象を維持するもので、一言でいえば循環となるでしょう。

3は三角形、7は推進と屈折によって形づくられた変性六角形によって象徴されます。

以上は宇宙が3によって生じ7によって循環維持されているという生命の象徴図形です。けれども、シンボルは2次元を超えて、実際には3次元的な構造であり、もっといえば4次元、5次元にも拡がっているとイメージすると、本質がつかみやすいのかもしれません。そして、この話はセンタリング(中心とつながること)とも密接につながっているんです。

とりあえず今日はここまで。

……エニアグラムについては、こちらへつづきます。

自分を変える旅から、自分に還る旅へ。

ABOUT ME
マッキー
牧野内大史(まきのうち ひろし)作家、コンサルタント。著書に『人生のシフト』(徳間書店から)スピリチュアル翻訳者として著名な山川紘矢さん 亜希子さんご夫妻 あさりみちこさんとのセッション本(ヒカルランドから)や、監修翻訳を担当した『ソウル・オブ・マネー』(リン・ツイスト著)等がある。2014年にIFEC(国際フラワーエッセンス会議)に日本人ゲストとして登壇した。長野市在住。