パラレルシフト

イマジナル・ディスク。

イマジナル・ディスク。

チョウの幼虫はあるタイミングで目に映るものすべて。手の届くものすべてを食べつくす過食の状態となります。このときの芋虫は、自分の体重の数百倍もの量を食べることができます。キャパオーバーなんて超え、手当たり次第をどんどん食い尽くしていきます。

これはある意味で

「問題のカタマリ」です。

そして、その問題はどんどん巨大化していくわけですが、あるピークを超えた時点で、それはサナギの状態となります。動きがとれない状態、そして、内なる変容が起きはじめる状態です。

幼虫のカタチはその内側ですっと溶けてしまい、その内側で新しい細胞が活動しはじめます。この細胞を

イマジナル・ディスクといいます。

(Imaginal disk 日本語では成虫原基、成虫芽などと呼ばれる)

それまでとはまったくちがった、羽や足といった新しい形態をつくるもと。その細胞は、まったく少数派の特殊な細胞であり、免疫系の働きによってすぐに破壊されてしまう脆弱なものです。それでも、イマジナル・ディスクの数がある一定数まで増えてくると流れに大きな変化が起きはじめます。

それらはお互いに結びつき、

イマジナル・ネットワークを形成します。

点はその定義上、そこには存在しないものです。

面積を持ったら、それは点ではありません。

それから点と点が結びつくと、これが線になります。

この線もその定義上は面積を持ち得ません。

線には太さがありませんから。太さがあったら、長方形。

そして点と点と点が結びつくと、そこにはじめて面積が生まれます。

面もその定義上は存在しません。

厚さはゼロ、です。体積がありません。

さらに点と点と点と点が結びつくと、ついにそこに体積が生まれます。

個々のディスクはすぐ消えてしまいますが、ネットワークは線となり、面となり、そこに実際に存在しはじめることができます。そして、その存在は混沌とした生命のスープの中から、ついに蝶の奇跡を創造します。

一見「問題」と思えるような状況に直面したときの僕たちは、その内側にイマジナル・ディスクを持っていて、そこには爆発的なエネルギーが眠っています。

多くの人は過去どうであったかが、未来がどうあるかに、直接的につながっていると考えています。過去に原因があるから、未来に結果があるんです。そのように思いこんでいます。

それはカルマのように、逃れられない連鎖なのだ、と。

けれども、イマジナル・ディスクについていえば、

それまであなたが過去どうだったか?

過去をあなたがどう生きてきたのか?

そんなこと一切合切、あなたの未来には、まったく関係がありません。

SHIFT

自分を変える旅から、自分に還る旅へ。

ABOUT ME
マッキー
牧野内大史(まきのうち ひろし)作家、コンサルタント。著書に『人生のシフト』(徳間書店から)スピリチュアル翻訳者として著名な山川紘矢さん 亜希子さんご夫妻 あさりみちこさんとのセッション本(ヒカルランドから)や、監修翻訳を担当した『ソウル・オブ・マネー』(リン・ツイスト著)等がある。2014年にIFEC(国際フラワーエッセンス会議)に日本人ゲストとして登壇した。長野市在住。