お金と自己表現

107つの習慣、良い習慣の呪い。

自由であることは大切だなあ、と思いつつも、

「自由になるための7つのステップ」

みたいな構造は、ときどき、僕を「おやっ」とさせるんです。

〇〇メソッド、〇〇ワーク、〇〇の習慣……きっと……

習慣をプラスしていくことが成功につながると、思い込むとき。

107つの習慣が「108つの習慣」になったのなら……もっと……

表面上のやり方が変わり、そこから派生する結果が変わっていたとしても。根本的にはちっとも変わっていない。そんなことって、あります。その場合は何よりも立ち止まってみる時間が必要なのかもしれません。

僕は20代の頃、革張りの分厚いスケジュール帳(ジッパー付き)を持ち歩き、日常をあらかじめ固定された予想と予定で満たし、膨大な目標とTODO(やるべき)リストをパンパンに詰め込んでいました。

習慣、それが良いことなら柔軟に取り入れよう、という柔軟でない、カタクナナ思いに囚われていたんです。107つの習慣にプラスワンすれば、その108つ目の習慣が、僕をもっと自由にしてくれるんじゃないか? 自由な自分を求めて、なぜか、囚人のようになっていく、その構造は、まるで呪いのようなものかもしれません。

情報にあふれた社会は、僕たちにいつもやわらかな脅迫を仕掛けてきます。

「このままで本当に大丈夫ですか?」
「現状には何か欠けていませんか?」
「幸せになりたくはないのですか?」

Facebook、Twitter、目の前で膨大な情報が流れていく姿ながめていると、まるで渋谷のスクランブル交差点。とんでもない大都会の大雑踏の中、誰もが自らの行くべき場所を見つけているのに、僕はただ一人ぽつんと、どうしていいかわからず立ち尽くしているように感じることがあります。

そこで、仮でいいのでどこかを目指し一歩を踏み出すことで、あたらしい道が開けることもあります。

また、それとはちがった視点では、人生にとってそんな瞬間は、とても大切なチャンスになり得ることがあります。

心が空っぽになっているとき、これまでのように誰かに問うことをやめてみる。

そして他でもない、自分自身に問いかけてみたら、どうだろう。と。

「私は心の底では何を望んでいるのだろう?」

「なぜ私は今の現実を選んでいるのだろう?」

「今この瞬間に何に氣づいているのだろう?」

いくつもの膨大な目標を達成しないと幸せになれない、そう思い込んでいるのなら…

人生において何を達成しないのか、達成しないことを選ぶことで、あたらしい道が開けるかもしれません。

必要な習慣を身につけ習得することが大切だ、そう思い込んでいるのなら…

すでに自分はどれほどたくさんの必要が身につけられているか見つけることで、あたらしい道が開けるかもしれません。

知識を加えていくことが習慣化され、さらに新しい知識を求めているのなら…

その当たり前だと思い込んでいた知識のひとつを疑ってみることで、あたらしい道が開けるかもしれません。

呪縛に氣づくと、もう呪縛は消えています。自分次第なんですから。

自分が他でもない自分に課したルールにガンジガラメになっている自分を発見すると

確実にあたらしい道は開けます。

自分を変える旅から、自分に還る旅へ。

ABOUT ME
マッキー
牧野内大史(まきのうち ひろし)作家、コンサルタント。著書に『人生のシフト』(徳間書店から)スピリチュアル翻訳者として著名な山川紘矢さん 亜希子さんご夫妻 あさりみちこさんとのセッション本(ヒカルランドから)や、監修翻訳を担当した『ソウル・オブ・マネー』(リン・ツイスト著)等がある。2014年にIFEC(国際フラワーエッセンス会議)に日本人ゲストとして登壇した。長野市在住。