AIの遺伝子とシンギュラリティ。

……自分の意識のアップロード。
(絵はGHOST IN THE SHELL よりトレース)

技術的にコンピューターに「自分」を電脳にアップロードできるようになったとき。

そのアップされた情報の集合は果たして「自分」なのだろうか?

技術的に人間を転送することができるようになったとき。

書き出し先の自分は読み取り元の自分と「同じ存在」なのだろうか?

> 「意識を還元主義的に解明した」

そう断言したマービン・ミンスキー博士はインタビューでこんなことを言っています。

ヨーヨーマがチェロを演奏している瞬間、主観的な意識はそれをどんなふうに感じているのかについて、

> 「それを知るためには、ヨーヨーマのすべての記憶が必要だ」

つまり、それを知るために「私がヨーヨーマになる」必要がある。さらに、ヨーヨーマになるということは、「私が私でなくなる」ということでもある。

あるテクストにおける唯一正しい解釈とはそのテクスト自身なのだ……。

「その人であること」は、

「その人であること」以上に還元できないものなのです。

そのコンテンツ(情報内容)はそのコンテンツ自身。それは、コンテンツに含まれないコンテクスト(背景)も含めて、となり、そうやって、自分情報を記録されていないコンテクスト情報まで拡大するなら、それはこの宇宙すべての情報ともいえます。

「自分とは何なのか?」

「自分をデータ抽出することは何を意味するのか?」

色々、考えさせられる部分もありますが、2045年に向けて、意外と人間は柔軟に技術のパラダイムシフトにのっかっていくものなのかも、とも思いますね。今、僕の手元にあるiPhoneに誰も驚きもしない時代になったのですから。

さて。

『AIの遺伝子』 山田胡瓜さん第1話がこちらで読めます。

↑第1話がまるまる読めます。

ネタバレになっちゃうけど、ここに登場する女性(ヒューマノイド)は、電脳をバックアップし、それがきっかけでウィルスに感染してしまいます。そして彼女が死なないためには、バックアップから自分を復元する必要がある状況です。

それなら、とウィルス感染したデータ(情報)をフォーマット(消去)し、バックアップ・データーを新たに電脳へ上書きすることに同意する彼女。

しかし、上書き直前に「待って!」と作業を中断させます。

今この電脳にあるデータを全削除するということは……

今 私が私だと思っているものは ここで消えてしまう……
そう感じるの

僕たち人間にとって。

今、「私が私だ」と思っているものは、いったい何なのでしょうか?

それが書かれたデータ(情報)だけでないのは、確かです。

意識は「それが自分だ」と思いこむことができる機能を持っています。

脳内の情報はバラバラで脈絡もない電氣信号ですが、それを1点でつまみ上げている「自分」がいるのです。

そんな「自分」を実現させている、あなたの意識が「それが自分だ」と思いこむことに成功させた、この「自分」とは、一体、何なのでしょうか?

ボディ? 電脳の一部? そこに書かれているデーター(情報)?

それとも……??

技術進歩とそれにともなう倫理観の変化や課題をするどくついていて、面白い作品だと思います。普段、漫画を読まない方にもオススメです。

AIの遺伝子

人が火を手にしてから鉄を作り出すまで
気の遠くなるような歳月がかかった

ピストン式の蒸気機関が生まれるのは
それから数千年

原子力が実用化されるのは
それから数百年

機械がチェスで人に勝つのは
それから数十年

技術の進歩はめまぐるしく加速している 『AIの遺伝子』

自分を変える旅から、自分に還る旅へ。

牧野内大史(まきのうち ひろし)作家、コンサルタント。著書に『人生のシフト』(徳間書店から)スピリチュアル翻訳者として著名な山川紘矢さん 亜希子さんご夫妻 あさりみちこさんとのセッション本(ヒカルランドから)や、監修翻訳を担当した『ソウル・オブ・マネー』(リン・ツイスト著)等がある。2014年にIFEC(国際フラワーエッセンス会議)に日本人ゲストとして登壇した。長野市在住。