パラレルシフト

内なる力:ピラミッドからフラットへ

春です。

長野の桜はちょうど満開になりつつあります。

世の中は新型コロナウイルスのニュースであふれていますね。

ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンの理論では、人間の意思決定は「得すること」よりも「損すること」に影響を受けます(不確実性下における意思決定モデル)。自分が得たいものよりも、失うものが人をより行動させます。

そして

楽しさや喜びよりも、怖れから強い影響を受けています。

こういうバイアスを知識として持っておくだけでも、一瞬で自分原点を取り戻すきっかけになりますね。

反応が出たら、

「あー僕の脳のバイアスがぁ……」

と、立ち止まれるので。

自分の判断に傾向があることを知っておくと、いつもは自動反応で考えている流れに一時停止ボタンをかけられるようになります。

僕たちには進化の過程で得た自動反応があり、大きな変化が起きるときには文字通り「大変だ」と冷静な判断よりも怖れの方向にぐっと感情が揺れるのです。感情が揺れると、整合性がなくとも、とにかく「答え」を求めはじめます。

僕たちは答えを自分の内に探るよりも、外側に探す反応を持っています。

大きく変わると書いて

大変。

SNSを通して色々みていると、自分の外側にリーダーを求めるのも、こんな時ならではの流れでしょうか。自分で考え、自身で判断するよりも、大きな流れに乗っかりたい。どこかに、その大きな流れがないだろうか?

突然、自分より格上の天使からサインを受け取ったり、リーダー主催の何万人で祈りましょうみたいなムーヴに参加したり、どこぞの大統領が言ってもいないことを秘密のサインとして読み取るようになったり。

冷静に考えれば、おかしなことも、かつてのピラミッド型の文化圏では、自分で考えたり自分で創ったりはそれほど必要なかったのです。それよりも、勝ち馬に乗ることの方が重要で、より力のあるリーダーに右ならえした方が、生存率は高かったのでしょう。

そのため、自分の内を見るよりも、自分の外側に優秀なリーダーやメンターをサーチする、心の動きが生まれます。

そのため、「自分が感じていること」や「自分がやりたいこと」を後回しにして、ちょっと強い言い方をすれば「自分を殺すことのできる人」が、より生き残ってきました。

しかし、これからの新しい時代はちがいます。

僕たち、ひとりひとりがリーダーであり

自分の頭で考え、自分自身で判断して選択していく流れになります。

そして、もっといえば、

あなたのひとつの選択が、この世界のすべてを変えます。

それが「極める」ということです。

過去の継続、コピー、

現状維持がきかなくなったときこそ

内面と対話して

自分の望む方向へ舵取りをするタイミングです。

自分を変える旅から、自分に還る旅へ。

ABOUT ME
マッキー
牧野内大史(まきのうち ひろし)作家、コンサルタント。著書に『人生のシフト』(徳間書店から)スピリチュアル翻訳者として著名な山川紘矢さん 亜希子さんご夫妻 あさりみちこさんとのセッション本(ヒカルランドから)や、監修翻訳を担当した『ソウル・オブ・マネー』(リン・ツイスト著)等がある。2014年にIFEC(国際フラワーエッセンス会議)に日本人ゲストとして登壇した。長野市在住。