度胸星の思い出。

『度胸星』(山田芳裕 作)という、めっちゃ面白い漫画があります。

これは主人公が宇宙飛行士を目指して厳しい選考テストに挑戦するSF漫画。

この話には火星に「テセラック」という超立体が存在する設定になっています。tesseractで調べると、意味は「4次元立方体」となっていますね。

4次元……。

読んだのは10年以上前ですが、今でも印象に残っているシーンがあります。

それは宇宙飛行士のテスト中に遭難したシーンでした。

ある場所からある場所まで行くとき、僕たちは、その道のりを

「直線的」に考えがちです。

その登場人物は月を目印にしていました。月を背にして向かい、月に向かって戻ってくる。そのことによって、直線的にではなく立体的にも自分の位置を把握していた、というお話です。

そして、

「直線だけじゃなく、立体的にも考えないとね!」

このセリフを僕は読んで、これは絶対名作になる予感がビシビシしました。

その後すぐに打ち切りになってしまい、悲鳴をあげましたが。

(けして人氣がなかったわけではなく、連載雑誌の方針転換とのウワサ)

Amazonさんのサイトを色々見ていたら、最近その新装版が出たらしく、その発売日が22日で『フラットランド』と同じ日でした。フラットランドの発売日が掲載されたとき、なぜ22日なのだろう? と思っていたんですよね。22日にはデータすら入れてなかったはずですので……何かシステムの都合でたまたま22日になったようです。

それでふと、テセラックのことを思い出しました。

フラットランドの2次元人には、線しか見えません。

その線を通して、縦と横の2次元を認識しています。

コインを置いてみたとき、それが円であると僕たちにはひと目でわかります。

モルガンコイン

でも、2次元人たちは、イマジネーションを駆使してこのカタチを把握するのです。

なぜなら、こういうふうにしか見えていないから。

モルガンコイン

テーブルの端からコインを見た様子。

フラットランドの主人公スクエアは「北ではなく、上なんだ!」と力説します。

2次元人たちは、ポカーン。ん、北ではないならどの方向?

スクエアは絶望します。

僕たちはつい3次元が見えていると思い込みがちですが、
実際のところ見えているのは、2次元です。
それどころか、ものごとを直線(1次元)的に見ていることだってあります。

さらに、それを超えた4次元。

4次元。

この言葉を耳にすると、どんなことを想像するでしょう?

この世界には別の異次元次があるなんて、ちょっとオカルト的な怪しい響きに聞こえるかもしれません。または「4次元ポケット」というような、未来のテクノロジーを想像するかもしれません。

けれども、ここに書かれた4次元という世界は怪しいオカルトでも、未来のテクノロジーでもありません。今こうやってあなたがこの文章を読み進めている間も、ちょっとだけ「振り向く」ことさえできれば、そこに広がっている世界です。

自分を変える旅から、自分に還る旅へ。

フラットランド―二次元の世界から多次元の冒険へ

『フラットランド ― 二次元の世界から多次元の冒険へ』

牧野内大史(まきのうち ひろし)作家、コンサルタント。著書に『人生のシフト』(徳間書店から)スピリチュアル翻訳者として著名な山川紘矢さん 亜希子さんご夫妻 あさりみちこさんとのセッション本(ヒカルランドから)や、監修翻訳を担当した『ソウル・オブ・マネー』(リン・ツイスト著)等がある。2014年にIFEC(国際フラワーエッセンス会議)に日本人ゲストとして登壇した。長野市在住。